東京クール

秋深き隣は何をする人ぞ(松尾芭蕉:笈日記より)

東京の人は冷たいとよく聞く。それに関係したことなのか隣人の顔も知らないなんて話も聞く。田舎ではありえないと思うが東京では普通だった。

実は私も例外に漏れず隣に住んでいる人を知らなかった。女性なのか男性なのかも不明だし、表札も出ていないので苗字すら分からない。もっとも、私も表札を出していないので隣人も私のことを知らないと思う。もう、今のアパートに越して2年も経つのに、家にいないことが多いのでまったく会わないのだ。

今、私の住んでいるアパートは壁が厚い。家賃は安いのに壁が厚い。と言うか、壁が厚いだけが今のアパートの自慢だ。そのため、まったく隣の部屋の音が聞こえてこない。音楽もテレビも会話も聞こえてこないのだ。

以前住んでいたアパートは家賃が今よりも高いくせに壁が薄く音がだだ漏れだった。そのため、隣が男だと言うことがすぐに分かった。そして、壁が薄いのは困る。確かクリスマスイヴの夜中(25日の明け方)だったと思う。隣から槇原敬之の「もう恋なんてしない」がエンドレスに聞こえてきたことがある。最初の 30分は槇原敬之の歌声だけだったのだがそのうち、隣人の男は口ずさみ始めた。で、1時間後には大熱唱だ。よっぽど怒鳴り込んでやろうかと思ったが、クリスマスにそして「もう恋なんてしない」と言う楽曲のチョイス、きっと何かあったんだろうと思いグッとこらえた。壁が厚い事はとても大切だ。

ただ、、今のアパートはまったく音が漏れてこないので隣人が生きているか死んでいるかも分からない。もしかして、空き部屋なのではと思ったのだが、たまに玄関を少し開けて風を通りやすくしていたりするので住んでいる事は確かだ。そして、生きていることも確かだ。こんなに近くに住んでいるのにまったく会わないというのも不思議なものだが、コレが普通なんだろう。

もしかして、ドラマティックが待っているのではないだろうか。「実は隣人は初恋の相手」とか「実は隣人は高校時代のクラスのマドンナ」とか。まぁ、ないどろうけど。

そして、最近、2年目にして初めて隣人の顔を見た。

数日前、ピンポーンとインターホンがなった。寝ていたのでその音で目を覚まし時計を見たら朝の5時だ。誰が鳴らしているのか検討も付かない状態でインターホンに出ると女性の声。朝の5時。同じ起こされるでも男の声よりはましだとは思うが眠い。その女性は「カギをなくしたんです。開けてもらえませんか?」と言う。私の住んでいるアパートは建物自体の入り口がオートロックになっている。建物の古さを見たら納得するのだが、家賃38,000円とは思えない無駄な装備だ。そして、私は「分かりました」と言って開錠ボタンを押した。
しばらくするとその女性が私の部屋の玄関のドアを叩いた。私はボッサボッサの髪で、グワングワンに伸びたTシャツでドアを開けた。その女性は若かった。「ありがとうございました」とお礼を言いって隣の部屋に入っていった。メガネをつけていなかったのであまり顔が見えなかったが「初恋の相手」でも「クラスのマドンナ」でもないのことは確かだった。やっぱりドラマティックはなかった。

若い女性が朝5時に家に帰って来る理由は多々あると思うので深入りはしない。でも、「秋深き隣は何をする人ぞ」な感じだ。友達と飲んでたんだよね、女友達と。あるいは仕事が長引いたんだよね。と言い聞かせ私はもう一度眠ることにした。

ドラマティックはないものか。秋が深まるその前に。


20140208

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